|
「体に何か巻き付けた奴がこっちへ来る」 『蛇かマフラーか腹巻き』 「カーテンだよ、あれは。布が波打っている」 『男か、女か』 「やけに性別にこだわる」 『人には違いない。だから次は、男か女か知りたくなるもんだろう。人の性だ』 「教壇に立って自己紹介をする彼に私は特別な感情を寄せていたのです」
+こんにちは 『あぁ、今、昼間なのか』 「と説明する」
『………』 +これですか? +学校のカーテンだから長いんです。私の部屋のカーテンは短くて丁度良いですよ 「こっちを見て話してほしい」 『直視しないでほしい』
「どうしてカーテンなんだ」 +世界が火事になっても平気だからです。これ、防火カーテンなんです。 学校には生徒が大勢いるので防火カーテンでないといけないんです 「私とは気が合いそうだ」 ・やあ 『さようなら』 ・今回の僕の登場には深い意味は無い
+ご親切にありがとうございました 「破れていては見栄えが悪い」 +世界が火事になったら、あなた方2人を優先的に助けてあげます 「ありがとう。 お節介かも知れないけど、そのカーテン、君の身の丈に合っていないようだ」 +ええ 「このハサミで切ってあげようか」 『と言って、刃渡り二十センチ程のハサミをスチャンと鳴らす』「これは伸びた私の髪を切るハサミだよ」 『と言って刃渡り』 +いいえ、長い方が都合が良いんです。 一昔前、大雨が降ったでしょう。 「母が泣いた日だ。あれで人間の数が激減した」 +大勢の人が私の目の前を流れて行くのを学校の屋上から見ました。 ボートに乗った人や浮輪に掴まった人、いかだに乗る人、サーフィンを楽しむ人 『緊迫感 無しだ』
+このカーテンで何人かを助ける事が出来ました 「救命用具にしては頼り無さそうに見えるけど、まさか それの端を君が持って」 +はい 『無理だ。水を含んだカーテンなんて重くて引き上げられない』 +男ですから 『不器用ですから』
『不器用で 「また母が泣いたら、それが役立つ」 +はい
『確か、学校って言ってたな。今度行ってみよう』 「マッチ一本 火事のもと に代わる台詞が欲しい」
|